好きだったよ、ずっと。【完】
ちらりと、春夜を見れば。



「どうせ俺は、人の気持ちが分かんねぇオトコだよっ」



なんて、不貞腐れていた。



「まぁ、聡は身長も高いし、声もイイし、顔もイイしねぇ~」



花音さんは、そう言った後に、わたしを見てニヤリと笑った。



何か、イヤな予感…。



「ねぇ、朱里ちゃん?聡って、キスうまいの?」



ほら、予感的中…。



「え、いや、あのぉ…。はははっ」



もうこれは、笑うしかない。



「朱里、もう俺とのキス忘れちゃったのかよ。思い出させてやろうか?」



「バッ、バカじゃないのっ。冗談じゃないっ」



「ひどいなぁ。俺は全部覚えてんのに。胸の大きさも、感触も。アソコの感度も、喘ぐ朱里の顔も、指の閉まり具合も」



なっ、なにみんなの前で言ってくれちゃってんの!?



「あ、俺。なにもしてないって木ノ瀬に言ったんだった。ごめんごめん。でも朱里傷つけた罰ね」



ニンマリ笑う聡が、悪魔に見えてきた。



全然優しくて思いやりがあって、人の気持ちが分かるオトコなんかじゃないっ。



やっぱ花音さんには、オススメできないかも…。
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