いと甘し。



「正直言って、私のほうが加代ちゃんと仲良いし。真希ちゃんみたいに執着心丸出しの人、加代ちゃんは好きじゃないよ」


「なに言ってんの?蘭ちゃんこそ、四六時中変なバンドの話ばっかりしてさ。加代ちゃんが退屈に感じてるの気づいてないの?」



そんなことないよ、と言いたいのに、私の口はカラッカラに渇いて声が出なかった。


端からしたら、私はただの性格がねじ曲がってる奴じゃないか。
真希ちゃんの執着心の強さに嫌気がさしてたのは、蘭ちゃんのほうでしょ?
蘭ちゃんのバンドの話に退屈してたのは真希ちゃんじゃないの?


突如、喉の奥に熱いものがこみあげてきた。視界がぼやけたのが涙のせいだと気付くまでに、そう時間は掛からなかった。



「…もう、いいよ」



クラス全員の視線が、私に向けられる。さっきまで言い争ってた2人も、ぽかんと口を開けてこちらを見ていた。



「…もういいよ。真希ちゃんも蘭ちゃんも、私の友達じゃない」



泣いていることに気付かれたくないので、下を向きながら喋った。だけど、鼻を啜る音はどうにも誤魔化せなかった。



< 17 / 19 >

この作品をシェア

pagetop