いと甘し。
頑丈で赤い手すりが美しい小さい橋を渡って、彼女たちはルシールの前で立ち止まった。そして「超ウマそー」とか「でも太るー」とか言って、外からパンの品定めをしている。
どこかで見たことあるなと思っていたら、彼女たちが着ていた制服は私が通う学校のものと同じだった。
そうか、世間の学校は今、入学式の真っ只中か。竹箒の柄に顎を乗っけて、横目で彼女たちを眺める。スカートが長いからおそらく1年生か。
ていうことは、私は進級して3年生?うわぁとうとうやってきてしまったか。17年生きてきて二度目の試練、受験。(ちなみに一度目の試練は高校受験)
本来なら私も学校へ行って、友達と共に進路についてあれやこれや語るべきだ。
でも私にはあれやこれやを語れるような友達がいない。というか作ってこなかった。
そして実のところ、私が進級できたのかも定かではない。
なんせ、私は2年生の冬から学校に行っていない。そんな経緯に至ったのにはれっきとした原因があるのだが、あまり思い出したくないものである。