いと甘し。



私は引き出しからティーバッグを取り出し、水がたっぷり入ったガラスのポットに放り込んだ。

お茶になるまで時間は少しかかるが、店のカウンターにもうひとつお茶が入っているので問題ない。

ちなみにこのお茶は農協で買ってきたものだ。うちは静岡県産の玉露入りのお茶を出せるほど立派なお店じゃない。


私は店内に戻り、窓際にあるカウンターにガラスのポットを置いた。そして、すぐ横に座っていたお客さんが清算をしようと伝票を手に取ったので、私は素早くレジに移動した。


伝票を受け取り、レジに代金を入力する。チラッと相手の顔を見てみると、その人は毎週火曜日にやってくる常連さんだった。


「860円になります」


お客さんは折れ目の入っていない野口さんを1枚差し出した。うぉっピン札!なんか得した気分だ。

お釣りの140円とレシートを渡しお礼を言うと、お客さんがCDケースより一回り大きい紙袋を差し出した。


戸惑いながらもそれを受け取ると、「それをタエさんに渡してもらえないでしょうか」と言われた。



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