いと甘し。



斎藤昌也は1年と2年の時に同じクラスだった奴だ。こうやって時間割を届けてきたということは、今年も同じクラスなのだろう。

斎藤の周りにはいつも人がいて、みんな楽しそうに笑っていた。私はそんな人気者の彼がずっと羨ましかったし、憧れていた。

まぁそれも2年生の冬を迎えるまでの話だけれど。


私は机をトントンと指で叩きながら、斎藤の顔をチラリと見てみた。艶々の黒髪に黒目がちな目。いかにも女子に気に入られそうな顔だ。



「…それ、癖なの?」

「なにが?」



斎藤はお品書きから視線を外し、私の手を見た。そしてあろうことか自分の手をそこに被せたのだ。私は凄まじいスピードで手を引き抜き、斎藤の頭をひっぱたいた。



「触るなケダモノ!」

「いってぇ…ケダモノはひどくない?」

「事実でしょ!」



頭を抱えて眉を下げる彼にもう一発ぶちかましたかったが何とか堪えた。


あんたはケダモノだよ。まるで服を着た猿だ。ネクタイちゃんと締めてても、頭の中は常にピンク色なんでしょ?



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