sweet wolf




気付いたら、あたしの周りを女子たちが取り囲んでいて。

興味深そうな目であたしを見ながら次々と質問を投げかけてくる。





「杏奈ちゃん、どこから来たの?」



「……カナダ」



「えっ!?じゃ、英語出来るの!?」



「ま……まぁ……」



「好きな人いる?」



「いない」





プライバシーもないほどに質問攻めにあい、やっと解放されたのはホームルームのチャイムが鳴った時だった。

嵐のように去って行く女の子たちを見て、ほっとため息をつくあたし。

もとから集団行動なんて好きじゃない。

息が詰まる思いだった。



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