sweet wolf
だが……
「そうか……」
意外にも、蓮はこれ以上聞くつもりもないらしい。
あたしになんて興味もないのだろう。
少し離れたところに、どかっと腰を下ろした。
あたしは、そんな蓮をずっと見ていた。
一匹狼でクールで悪い奴じゃない。
だけど、他人に全く興味がないらしい。
究極の利己主義なのかもしれない。
蓮に狼に目を付けられたことを言っても、気にしないだろう。
明日には忘れているかもしれない。
そんな蓮だからこそ、あたしは軽いノリで口にしていた。
「あたし、狼に目ぇつけられたみたい」