今日も笑って嘘をつく
ーーーギィー
重い木の扉が独特の音を立てて開く。
いやー。懐かしいね。
昔はよくきたもんだ。
………“あの”ことを知ってしばらく来なかったけど。
「いらっしゃーい。
ってお?しばらく見なかった顔がいるじゃねェーか。」
そうやってゆるーく解釈してくる奴は……、
BlackCityでは“秋”と呼ばれる男だ。
こいつがここQUZU[クーズ]のマスター(という名の情報屋)をやっている。
ちなみに金曜日と土曜日にしかこのBARは開いていない。
今日は金曜日。ちょうどよかった。
本当は明日くる予定だったけど、学校がめんどくさかったしこいつの“秘密”を確かめたかったから仕方がない。