今日も笑って嘘をつく

「おー。おー。千鳥さんは警戒心が強いのねェ〜。」






弾かれた手を一瞬だけ見ながら、笑いながら千春と私に目線を移す。


瞳の奥はどこか鋭い目線、で。






「で、俺に何か用があるんだろォ?」






「……さすが、分かってるね。」






さすが。
やっぱこいつは私が何のためにきたか分かってる。






「俺はこう見えてなかなか鋭い方なんだぞ〜。」




知ってる。知ってるよ。それくらい。









ーーーブクブクブク


辺りには、静かに水槽から奏でる音がこだまする。



そして、熱帯魚が青い水の中を優雅に泳いでいる。


あぁ、気持ち良さそうだな……。







なーんてぼんやり思ってたら、

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