世界で一番、ずるい恋。
「えっと…ジュース、冷やしてくるね?」
「……うん、行ってらっしゃい」
色々考えたうえで私がそう言うと、彼女はチラリと律へと視線を向ける。
そしてもう一度私を見て、やっぱり下手くそな笑顔を作って、そう言った。
……あぁ、まただ。
そして、陽果もだ。
先生も陽果も、どんどん笑わなくなる、笑えなくなる。
きっと、いや絶対に、私のせい。
「じゃあ、私、教室戻るね?」
今度は私の目を見ずにそう言うと、陽果は隣を走り去った。
少しずつ離れていく親友に、どうしたら良いか分からなかった。
もしかしたら、律とのことが噂になって、事実のような状況になった今。
自分には何の報告もないことに対して、ショックを受けているのかもしれない。
それか先生のことを好きだったはずなのに、そう思ってるのかもしれない。
だけど、私は陽果の目を真っ直ぐ見つめながら嘘をつける自信がない。
かといって、全てを話しても変わらず彼女が自分のそばにいてくれる自信もない。