世界で一番、ずるい恋。



身動きが、とれないんだ。


でも仕方がないよね。

先に隠し事をし始めたのは私だから。

自業自得って言われたら、きっとそれまでだと思うの。


何でだろう。

最初は純粋に先生のことが好きなだけだったのに。


いつから私はこんな嫌な人間になっちゃったんだろう。

もしかしたら自分で気付かなかっただけで、小さい頃からこうだったのかもしれない。


こんな状況になって気がつくんだ。

私から先生への恋心と陽果を奪ったら、ほとんど何も残らない。


世界は色あせて、何だか全てが空っぽのように思えてくる。





「ーー茜、今度こそ本当に置いてくぞ」





だから私には、このちょっと無愛想な彼に従うしか道は残されてないんだ。

きっと、彼は私が望んだはずの未来へと導いてくれるはず。



律は共犯者で、私の理解者。

……彼だけは、しばらく私のそばにいてくれるはずだから。





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