Snow Love. ~大好きなキミへ~


白瀬くんは一回深く息を吐くと、スターティングブロックに足を乗せ、大きなピストルの音と同時に青空の下を駆けだした。


「………っ」


隣で愛花ちゃんが息を呑むのが分かった。


………早い、本当に早い。


白瀬くんが私たちの前を駆け抜ける。


ひとつひとつの動きに無駄がなく、前をしっかり見据えている凛々しい瞳。


まるで風になったように、白瀬くんはあっという間にゴールのラインを踏んだ。


その瞬間、観戦していた生徒たちが大きな歓声をあげる。


肩でハァハァと息をしている白瀬くんにタイムを告げる先生。


そのタイムを見て、白瀬くんは少しだけ頬を緩めると、天に向かって大きく拳をあげた。


……意外だった。


いつもあんなに冷たい白瀬くんだから、きっと陸上の時もあっさりしてるんだろうと思っていたのに。


今の白瀬くんからは、あの普段の冷たい雰囲気は感じ取れない。


< 219 / 353 >

この作品をシェア

pagetop