Snow Love. ~大好きなキミへ~
白瀬くんは一回深く息を吐くと、スターティングブロックに足を乗せ、大きなピストルの音と同時に青空の下を駆けだした。
「………っ」
隣で愛花ちゃんが息を呑むのが分かった。
………早い、本当に早い。
白瀬くんが私たちの前を駆け抜ける。
ひとつひとつの動きに無駄がなく、前をしっかり見据えている凛々しい瞳。
まるで風になったように、白瀬くんはあっという間にゴールのラインを踏んだ。
その瞬間、観戦していた生徒たちが大きな歓声をあげる。
肩でハァハァと息をしている白瀬くんにタイムを告げる先生。
そのタイムを見て、白瀬くんは少しだけ頬を緩めると、天に向かって大きく拳をあげた。
……意外だった。
いつもあんなに冷たい白瀬くんだから、きっと陸上の時もあっさりしてるんだろうと思っていたのに。
今の白瀬くんからは、あの普段の冷たい雰囲気は感じ取れない。