助手席にピアス
それから朔と早百合がどのような話をし、どのような結論を出したのか俺は知らない。
でも相変わらず仲良くふたりで下校する姿を目にした俺は、結局早百合にフラれたのだと悟った。
朔と俺は、それ以来、行動を共にすることなく、生徒会関係の会話を交わす時ですら、お互いに視線を逸らした。
俺がひと言「悪かった」と朔と早百合に謝れば、もしかしたら以前のように、三人で楽しい時を過ごせるのかもしれない。けれど、もう、自分の気持ちを誤魔化し続けることなどできなかった俺は、遠くから早百合の姿を見つめ続けた。
そんな数か月が経ち、生徒会の任期を終えると、朔と顔を合わせることもなくなる。
そして迎えた、高校三年生の夏休み。俺と朔と早百合の関係が変わる、決定的な出来事が起きる。
自分の進路を決められずにいた俺は、夏期講習に通うことなく家で悶々とした毎日を過ごしていた。そんなある日の午後、家のチャイムが鳴り響いた。
応対に出た俺が目にしたのは、澄んだ瞳から大粒の涙をポロポロと流す早百合の姿。
「早百合? どうした?」
「桜田くん。助けて……」