助手席にピアス
仕事を終えた私は寄り道をせず真っ直ぐに家に帰ると、簡単に夕ごはんを食べ、急いでお風呂を済ませた。
時間指定した夜九時まであと三十分。最終の配達時間を希望したのは、この時間なら琥太郎は家にいると思ったから。
でも、もしかして残業だったり、会社の人と飲み会だったりするかもしれない。
前もって十四日の夜九時にチョコを郵送するからと、琥太郎に連絡すれば確実にその時間に受け取ってもらえるけれど……。
琥太郎を驚かせたい気持ちの方が強かったから、あえてなにも知らせなかった。
そんなことをアレコレ考えていると、あっという間に夜九時になる。
自分から琥太郎に「チョコ届いた?」なんて聞くのも、なんだかなぁと思った私は、ひたすら携帯とにらめっこをした。すると、私の願いが通じたようにスマートフォンが音を立てる。
「も、もしもし」
「俺。雛、チョコ、サンキュ」
「う、うん。よかった。ちゃんと届いたんだ」
「ああ」
頑張って作ったチョコを受け取ってもらえてよかった。
喜びがヒシヒシと込み上げてくる。でもそれも束の間、新たに気になることが浮上した。
「ねえ、琥太郎。私以外の人からもチョコをもらった?」
「ま、まあな」
いったい誰から、どんなチョコをもらったんだろう……。
興味深く、琥太郎に聞く。