助手席にピアス
散々泣いた次の日の朝。ロッカールームで私の顔を見た美菜ちゃんが、大きな声をあげた。
「雛子!? その顔、どうしたの?」
「美菜ちゃん……私、そんなにひどい顔している?」
「ま、まあね。誰が見ても、昨日泣きましたって顔しているよ。もしかして琥太郎くん絡み?」
「……うん。そう」
琥太郎という名前を聞くだけで、胸が張り裂けそうに痛み出す。
私、いつの間に、こんなに琥太郎のことが好きになっていたんだろう……。
改めて自分の気持ちを自覚した私は、込み上げる涙をグッと堪える。
「雛子。お昼に話を聞くから」
「え~。美菜ちゃん、今、聞いて欲しい」
頭を優しく撫でてくれる美菜ちゃんに、甘える
「今って言われても始業まであと十五分しかないんだよ。話はお昼。ね、雛子」
「う、うん」
美菜ちゃんは、仕事に対して真摯な態度を見せる。
琥太郎とケンカをしてしまった不甲斐ない自分が嫌になった私は、ため息をつきながらロッカールームを後にした。