助手席にピアス
挙式の案内をされた私たちは、ホテルの敷地内にあるチャペルへと移動する。
朔ちゃんと莉緒さんの結婚式に招待されたものの、私が知っているのは、おじさんとおばさんと琥太郎だけ。
ひとりで寂しくないように、と私の隣に寄り添ってくれる琥太郎の優しさに感謝しながら、チャペルへ続く石畳の道を進んだ。
真っ白なチャペルに足を踏み入れれば、天窓から差し込む柔らかな日差しがまぶしく輝いていた。
まるで朔ちゃんと莉緒さんの結婚を祝福しているみたい……。
「すごく素敵。きっと莉緒さんもすごく綺麗なんだろうな」
独り言のように何気なく呟いただけなのに……。
「雛。あのさ、そのドレス……とても似合ってるぜ」
琥太郎は私にだけ聞こえるように、耳もとでそっと呟く。内緒で囁かれた褒め言葉に、胸がドキリと高鳴った。だから私も、琥太郎にだけ聞こえるように、背伸びをして耳もとに口を寄せる。
「スーツ姿の琥太郎もカッコいいよ」
やだ、恥ずかしい……。
頬が火照るのを実感しながら、隣の琥太郎を見上げる。すると琥太郎の耳も真っ赤い染まっていた。
そんな褒め合いごっこのようなひと時も、神父様と新郎の朔ちゃんの登場でお開きになる。
シルバーグレーのタキシード姿の朔ちゃんは、文句なしに格好いい。