助手席にピアス

そして、厳かなパイプオルガンの音色がチャペルに響き、重厚なドアが開かれると純白のドレスを身に纏った莉緒さんと花嫁の父が登場した。

オーガンジーのトレーンをゆっくりと揺らして、一歩ずつ祭壇に歩み寄って行く莉緒さんの姿は、誰も感嘆の息を漏らしてしまうほど美しい。

私も莉緒さんみたいな綺麗な花嫁になりたいな。もちろん、私の隣には、琥太郎がいてくれないと意味がないけど……。

朔ちゃんと腕を組み、祭壇に向かうふたりの後ろ姿に、自分と琥太郎の姿を重ねた。



神聖なチャペルでの挙式が終わり、いよいよブーケトスが始まる。桜田さんの予想通り、素敵な式に感動して、琥太郎に心配されるほど涙を流してしまったけれど、ブーケトスに参加しないわけにはいかない。

永遠の愛を誓い、喜びに包まれている莉緒さんは、新郎の朔ちゃんに見守られながらブーケを空高く放った。

莉緒さんがトスしたブーケは緩やかな弧を描きながら、あっという間に私のはるか頭上を通り過ぎていく。

高く掲げた手にかすりもせずに飛んで行ったブーケの行方を目で追っていると、歓声と共に笑い声が湧き上がる。

視線の先には、耳を真っ赤に染めた琥太郎が、莉緒さんがトスをしたホワイトローズのブーケを手にしていた。

ブーケトスに参加していた女子の群れをかき分け、琥太郎のもとに辿り着いた私は思わず声をあげる。

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