助手席にピアス
「雛子ちゃん、これから二次会のケーキの仕上げでしょ?」
「うん。とても上手にスポンジが焼けたの。きっとおいしくできあがると思う」
ケーキの報告をすると、朔ちゃんはニコリと微笑んでくれた。
「それは楽しみだな。じゃあ、急いで写真を撮らないとね。おい! 琥太郎!」
朔ちゃんは親戚の人たちの相手をしていた琥太郎に声をかけて手招きをする。そして琥太郎がこちらに来ると、四人で記念写真を撮った。
「莉緒さん。すごく綺麗」
真紅のオフショルダーのドレス姿の莉緒さんを、うっとりと見つめる。
「ありがとう。雛子ちゃんもそのピンクのドレスもとてもかわいいわ。ねえ、琥太郎くんになにか言われた?」
莉緒さんは私だけに聞こえるように、小声で話す。
「に、似合っているって……言ってくれた」
「うわぁ、よかったじゃない!」
「うん」
今が披露宴後ではなくて、休日のティータイムなら、私と莉緒さんガールズトークで盛り上がっていたはず。
「あのね、莉緒さん。二次会のケーキも楽しみにしていてね」
「ええ、雛子ちゃん。本当にありがとう」
名残惜しく会話を終わらせた私は、最後に心から「おめでとう」と朔ちゃんと莉緒さんに伝えると、ふたりは寄り添いながら仲睦まじく微笑み合った。