助手席にピアス
「いや。雛が謝ることはねえよ。ただ思い切った決断をしたなと思って」
「うん。地元に戻れば琥太郎の傍にいられると思ったから頑張っちゃった」
ベッドに横になっている私の上に、琥太郎の身体が重なる。
「マジで?」
「うん」
もう一度スイーツに関わる仕事をしたいとか、東京だと家賃が高いから、実家に戻りたいとか、一つも嘘はついていない。けれど、私が地元に戻ることを決めた一番の理由は、琥太郎の傍にいたいから……。
「でさ、プロポーズの返事は?」
「もちろん。はい、です」
琥太郎はホッと息をつくと、柔らかい笑みを浮かべた。そして、ゆっくりと顔を近づけてくると、甘くとろけるようなくちづけを落とし、全身に指を滑らせ始めた。
ついさっき、快感を得たばかりの身体がすぐに疼き始める。
「琥太郎……ダメ……」
「ダメって言われても、俺は雛とずっとこうしたいと思っていたんだ。さっきの一回きりじゃ、全然足りねえよ」
否定の言葉を口にしながらも、求められる喜びに包まれた私は、琥太郎の広い背中に自ら腕を回す。
そのまま引きずられるように、快楽の波に何度も呑み込まれるのだった。