嗤うケダモノ
だってソレ、フツーのお習字じゃナイよ?
書道家サンが個展に出すヤツ…
ほら、なんてーの?
アート書道っつーの?
そんなんだよ、コレ…
「知らなかった?」
息を詰めて由仁を見守る日向に 背後から腕を回したままの百合が囁いた。
「ジンって器用でさ、大抵のコトは短期間でマスターしちゃうの。
でも飽き性で、全然続かないのよね。」
「はぁ…
もったいないですね。」
「…そーでもないカモ?
唯一飽きそうにないモノのためにフル活用されてンじゃん?」
「…? そーなんデスカ?」
百合が意味深に微笑みかけるが 日向は不思議そうに首を傾げるダケ。
ハイ、報われない愛デス。
ご愁傷サマ。
「ヒーナー、おいで。」
看板を書き終えた由仁が、満面の笑みで日向を手招く。
出来映えに満足した樹が、軽く頷く。
日向を解放した百合は、手を繋いで講堂を出ていく二人を苦笑しながら見送った。
鈍感すぎるのも、時に罪。