鍵の付いた羽根たちに。Ⅰ
「あっ!
やっぱり梓だ♪」
言った途端に抱きついてくるゆーり。
撫でながら考える。
此処にも手が回っていたか…。
彼は夢城 悠利。
簡単に言えば幼馴染みだ。
「悠利。
生徒会役員だったの?」
私は悠利に聞いた。
「うん♪」
笑顔で言ってくる悠利の頭を
撫でて、呆けている四人に顔を向ける。
制服をパタパタと直し、
「改めまして。
蝶桜女学院一年A組。
生徒会長の月城です。
お初にお目にかかります。
皇龍高校生徒会の皆様。」
ペコリとお辞儀をする。
悠利との関係は言わないけれどね…
すると、
さすが不良、行動能力が早い。
気を取り直したようで、
「初めまして、
僕は副会長の鬼灯 楓。
蝶桜女学院生徒会長の"お嬢様"。」
ニコッと笑いながら嫌味をいれたこいつに
ムカつく僕。