鍵の付いた羽根たちに。Ⅰ


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キーンコーンカーンコーン。

 下校時刻のチャイムがなる。
今は午後六時。

役員が帰った生徒会室に僕はいた。

夕焼けに照らされ
帰る生徒たちを見送りボーッとしていた。


はぁ…
つまらない。

とってもとってもつまらない。

ふと資料に目を向ける。
そこには理事長が考えたバカな案。

僕はそれを読み上げる。

「皇龍高校との合同文化祭。
皇桜祭。
 会場は蝶桜女学院。
日にちは6月18日。」

まだ4月初め。
初春漂う季節。
学院は変わっていて、
新入生入ってきて直後に
人気投票で生徒会が決まる。

人気投票…

実をいうと
僕、会長って役職、
中学一年からやってる…

中二も中三も高一も…
これからもだろうが…

6月18日…
僕の生まれた日。

正確には私が僕を作り出した日。


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