鍵の付いた羽根たちに。Ⅰ


 理事長はきっとバカなのだろう。

お嬢様学院と不良校の合同文化祭なんて…

 何があっても生徒は
守らなくては…
僕がとっても憂鬱になった瞬間だった。


それにこれから憂鬱になることを
しなくてはならない。

下校時刻なのに
これから皇龍高校に行って
文化祭の話し合いをしなくてはならない。


僕1人で…
いや、これはどっちかというと
僕のせいなんだけどね…

いや、だってさ
不良校に行って他の役員を
危ない目に合わせるわけに行かないでしょ?

だから先に帰ってて良いって
言ったんだ。

危ない目にあうのは
僕1人で充分だから。


1人静かな生徒会室。
 彼女の目の漆黒が闇のように
深く黒くなったのは
見え始めた月明かりのせいだろう…


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