私がナイト。


優斗は九条の名だけでなく、その整っている容姿から、中学で注目を浴びる存在だった
そのためか今の優斗はパッとみれば誰かわからないほど地味な姿
視力も悪くないというのに眼鏡をしている


(こんな地味だと悪目立ちしそうだなー)


むしろ元々女で男装をしている自分が目立って仕方がなくなる気がしていた

父の協力もあり、かなり上手く男になりきれているのだが、やはり元が女なので顔立ちの女らしさは隠せなかった
何も知らないものが見ればただの美少年になってしまったのだ



「おい」


「はい、優斗様」


「・・・様はやめろ。気持ち悪い。」


「しかし・・」

「今は家の者は居ない。その敬語もやめろ。なんでいきなり敬語なんだよ。」


「仕方ないでしょ。優斗様を護るのが私の役目なんだもの。」


「親父たちは古いんだよ。まだ護るとか護ってもらうだとか言いやがって」


「いいじゃない。古いものが悪いとは限らないんだから。」



「お前はこれで良いのかよ」











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