恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「電話、気付かなくてごめん」
先に店にいた慶次郎が謝る。
「ううん。仕事中だもん」
「ちょっとお客さんがいて」
お客さん・・・・・・
サトさんじゃないの?
どうして、店に行ったことを言えないんだろう。
サトさんと一緒にいたよね?と言えばいいのに。
悪循環。
マイナス思考。
また、悪い方向に行っている。
「お母さん、綺麗な人だね」
慶次郎は、お酒ではなくお茶を飲んだ。
「そうかな・・・・・・」
「お母さん僕のとの交際、心配していたんじゃない?」
慶次郎は気付いている。
だって、慶次郎は魔法のカメラマンだもん。
心の中まで見えちゃう人。
だから、全部わかってる。