恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
ガーリックの焦げたような香ばしい匂いが漂う店内。
「ごめん。焦りすぎたな、俺」
「ううん。私が悪いの」
「いや、ごめん。でも、俺は榎本さんを好きになれたんだ」
好きになれた。
その表現にも違和感を覚えた。
川北さんも、私と同じように無理して新しい恋を探していたのかもしれない。
「俺のこと、もっと知って欲しい」
そう言って、窓の外を指差した。
その先には観覧車。
「観覧車?」
「の、向こうに見えるの何かわかる?」
紫色と白のライトが窓に反射する高い建物。
「ホテル、予約したんだけど」
ホテル予約したんだけど?
この関係で?
確かにイヴに一緒に過ごすってそういうことかもしれないけど。
でも、私は迷っていて、その気持ちも伝えている。
迷っている私を抱いて、何がわかるの?