恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~




ガーリックの焦げたような香ばしい匂いが漂う店内。





「ごめん。焦りすぎたな、俺」



「ううん。私が悪いの」



「いや、ごめん。でも、俺は榎本さんを好きになれたんだ」






好きになれた。



その表現にも違和感を覚えた。




川北さんも、私と同じように無理して新しい恋を探していたのかもしれない。





「俺のこと、もっと知って欲しい」




そう言って、窓の外を指差した。




その先には観覧車。





「観覧車?」




「の、向こうに見えるの何かわかる?」






紫色と白のライトが窓に反射する高い建物。





「ホテル、予約したんだけど」





ホテル予約したんだけど?





この関係で?



確かにイヴに一緒に過ごすってそういうことかもしれないけど。






でも、私は迷っていて、その気持ちも伝えている。




迷っている私を抱いて、何がわかるの?









< 276 / 331 >

この作品をシェア

pagetop