恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
私は何も言えないまま、カプチーノを飲み終えた。
川北さんは、それをOKと理解したのか、席を立ち、私の手を引いた。
「ごちそうさまです」
会計を終えた川北さんにお礼を言った。
ガラス張りのエレベーターには、他に誰も乗っていなかった。
「キス、したい」
速く降りるエレベーターの中で、私はただただ慶次郎を想った。
近付く唇から逃げる私。
「だめ?」
そう言った時に、他のお客さんが乗って来た。
川北さんは、私の手を握り、体を密着させてきた。
今の川北さんは、私を見ていない。
私を抱くことしか、頭にない。
最初からそのつもりで、今日誘ったのかな?
優しくて、いつも私の話をよく聞いてくれて、理解してくれて。
そんな川北さんを信頼していた。
それが嘘だったとは思わないけど。