恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「まだ涙が残ってますよ」
とスーツの胸ポケットからハンカチを出した慶次郎。
私の目にハンカチを当ててくれた。
慶次郎は、走ったせいか、汗をかいていた。
私は鞄の中から花柄のハンカチを出した。
「どうぞ」
私がハンカチを手渡すと、慶次郎は丁寧に自分の額の汗をふいた。
「緊張しちゃいましたよ。勝手にこんなところに来てしまってすまない。でも、来て良かった。真智さんがアイツとどこかへ行っていたらと思うと・・・・・・」
低い声だった。
大北さんと慶次郎にはどんな過去があるんだろう。
きっと、何かとても嫌なことがあったんだろう。