恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~



「まだ涙が残ってますよ」



とスーツの胸ポケットからハンカチを出した慶次郎。


私の目にハンカチを当ててくれた。




慶次郎は、走ったせいか、汗をかいていた。




私は鞄の中から花柄のハンカチを出した。





「どうぞ」




私がハンカチを手渡すと、慶次郎は丁寧に自分の額の汗をふいた。







「緊張しちゃいましたよ。勝手にこんなところに来てしまってすまない。でも、来て良かった。真智さんがアイツとどこかへ行っていたらと思うと・・・・・・」





低い声だった。





大北さんと慶次郎にはどんな過去があるんだろう。




きっと、何かとても嫌なことがあったんだろう。






< 76 / 331 >

この作品をシェア

pagetop