声が聴きたい


そして和希の笑顔はこのときから、中学の中頃まで満面の笑みになることはなかった。


希美花は、付き合っていた実業家男性とケンカ、ふと、思い出して連絡し、軽い気持ちで待ち合わせを決めた、その後がどうなるかなど、気にもせずに。


そして、電話をしたあとに仲直りでもしたのか、機嫌良く店でお酒を飲んで、約束など忘れてしまっていたのだ。

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身体的には無事で入院も今回はなかった。


だが、心的に相当の深傷をおってしまった和希。


優一ら家族も和希と共に傷ついた。

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小学1年の秋から3年の4月までという短い期間を優一達と同じ小学校で過ごし、和希は4月下旬、紹介された、電車で通う支援学校へと転校した。


高校生の現在の和希の親友である加奈子がこのことを知らないのは、加奈子自身が4年での転校生であるからだった。


そして、いつの間にか転校してしまった佐藤優一の姉の存在は、日々興味の移り変わる小学生にとっては、いつまでもするような楽しい話ではないし、優一と秀が意識して和希の話題を避けていたから誰も気にしなくなったのだ。

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