声が聴きたい
離婚して着いていった人には他にも付き合っている女性がいたりして、何度もついたり離れたりを繰り返し、結局は別れてしまったこと、日本に戻り心機一転と思った矢先に癌を患い、更には再発し、勤め先に借金をしているため、今の治療を続けるのに金銭的にキツいことなど、このときの希美花は人生で初めて、素直な気持ちで、それを話すことが出来た。
「私は……何をしてきたのかしらね……」振り返り話してみたが、いったいここまで何にこだわり、進んできたのか自分がわからなくなってしまった。
「希美花さん……愛情って、与えてもらって当たり前なんじゃないのよ?」静かに美都子が話す。
「家族にもその男性にも、あなたはいつも与えてもらうばかりだったんじゃない?あなたから和へ、あなたから彼へ、惜しみなく愛を向けたことあった?それでも、あなたの回りの人たちは、あなたを愛してくれてた。でもあなたはその有り難さをわからないまま相手を傷付け、愛と信頼を失ったのよ。」
「……私は……寂しいのはイヤだわ……惨めなのもイヤだった。だから、はっきりと分かる形で愛情を与えていて欲しかった。でも、それだけじゃ、ダメだったってこと?求めちゃダメなの!?」