声が聴きたい
「えぇと……板谷さんの親御さんは……」汗をかいた男性の医者がドアから出てきてこちらを見渡す。
「すみません、板谷和希の両親はまだ、こちらに着かなくて。私、和希の母方の伯母になります、私ではお話し伺えませんか?」母さんが問いかけてる。
「いや、命にかかわるとか、重要な、承認のいる処置といったことではありませんので、まずはご親戚の方でも構いません。では、あちらのカンファレンス室にてご説明させてください。」
「あのっ!俺も、俺も話、聞いちゃダメですか?俺、いっつも和希と一緒にいるんだ、だから……」後をなんて言っていいのか分からず、中途半端になってしまったが、目だけは強く医者を見つめた。
「そうか、君は?」「俺っ、従兄弟の優一ですっ!」「すみません、私の息子なんです」「ん、そう、ですね。実はお願いしたいこともありまして、うん、優一君だったね、よし、君もおいで」
「ならっ!なら俺も聞かせてよ!お願いします!」秀が背中を向けようとした医者に向かって叫んだ。
「君も従兄弟かな?」「っ、違う、違うけどっ和希のこと大事なんだ!助けたいんだ!」