例えばここに君がいて

頭からシャワーを浴びながら、頭に蘇ってくるのは今日の出来事。
ぶっちゃけ、自分でも何がどうなっているのか分からない。


サユちゃんと仲直りした。

それはいいんだ。

そして木下の余計なお世話で、危うく俺の気持ちがバレそうになったが、それはなんとか回避して。

だけど夏目が早々にサユちゃんに告白して、それを俺が見ていたのも彼女に知られて。
何も言えないまま引き下がった俺に、新見からの謎の言葉。


『誤解させたままにするけど、いいわね』


よくねーよ!
てか、お前がそう言うことがよく分からねぇ。

まさかあいつ、俺のこと好きなのか?


これまでの新見との会話及び絡みを思い出す。

隣の席で、一緒に看板係をしたくらい……だよな。
どっちかというとドつかれた印象しか無い。

あり得ん、あり得ん。
あいつが俺を見る目つきには憐憫の情はあっても、愛情はない。


『お兄ちゃん女心分かってない』


脳裏に浮かぶのはルイの一言。
女心が分かってないのは認めよう。

じゃあどうすれば分かるんだよ、女心。
誰か教えてくれ!



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