孤独と嘘と愛に騙されて。
一瞬だけ見えた春先輩の表情。
それは横顔だったけど、
いつもと変わらない
笑顔がまぶしい春先輩だった。
きっと廉くんは、
その春先輩の笑顔が大好きなんだ。
なのに、想いが一つにならない2人。
こんなにお似合いなのに。
まともな恋なんてしたことない私からすれば
うらやましいったらありゃしないよ。
廉くんの一途さ、
それは正直なものなのに
どうしても不器用なんだよなあ。
もうちょっと女の子のこと、大切にしなよ。
隣にいる彼女だけじゃなくてさ、
私の表情も
ちゃんと読み取ってよ。
「 ばーか。 」
振り返って瞳に映る廉くんの表情は
想像していた通り、やっぱり幸せそうだった。
さっきまで私と一緒にいたことなんか
忘れてしまったみたい。
今は目の前にいる春先輩だけが大切なんだ。
かけがえのない妖精みたいな女の子。
ちょっと強く握りしめれば
すぐふわふわと飛んで行ってしまいそうな。
そんな、春先輩。
私は廉くんの一途さと不器用さにもどかしさを覚えた。
そして同時に
春先輩に対する苛立ちを覚えた。