トマッタ時計
・・・気まづい。
職員室に行くまでの道ってこんなに長かったっけ?
横をチラッと見ると、まっすぐと前を見る内藤くんの横顔。
今まで内藤くんとなんか喋ったこともないし、まして顔もあんまりまじまじと見たことがないし、何喋ればいいんだろう・・・。
何かしらの話題を見つけようと悶々と考えていたらいつの間にか職員室に着いた。
職員室に入って宿題を置くと入れ替わりで侑李と中尾くんが入ってきた。
「あー、このまま学校さぼりてー」
職員室を出るなり中尾くんがこんなことを言い始めた。
「私もー!」
侑李もそれに便乗してぴょんぴょん飛び跳ねている。
「なあ、このまま四人でどっか行かね?」
中尾くんが振り返り内藤くんの肩に手を乗せた。
「ねぇ音々行こうよ!」
そう言って私を見ている侑李の目は完全に同意を求めていた。
侑李この顔は断ると駄々をこねる時の目だなー。
「あのさ、放課後に行けば?」
いきなりそんな提案をしたのは内藤くんだった。
「それいいな!じゃあ放課後四人で遊ぼうぜ!決定な!!」
「わーい!!」
「あの・・・勝手に話を進めないでくださいます?」
そう言った私の声はどうやら届いてないようで・・・。
「しょうがないんじゃね?」
内藤くんには届いていたみたいで、なんとも言いようのない返事が帰ってきただけ・・・。