意地悪なキミに、スキをあげる。




「別に…昔から湊は学校と声優の習い事してて帰ってくんの遅かったし

親父もよる遅くまで仕事で帰って来なかったし

母親も放任主義だったし」




麦茶を一口飲んで、朝陽さんはどこか遠くを見つめた。



昔から、寂しいなんて思いを知らなかったのかな…?




なんか…ちょっと朝陽さんが冷淡な人に見えた。




「でも最近は寂しいかな。少し」

「え?」

「あおに会ったから」




コップが机に置かれて、揺れる水面を見ながら朝陽さんが口を開いた。




「あおに会えない日が続くと、寂しいって思うようになった。 だっさ…」




ふっ、と笑ってから

あたしの頭に大きな手が乗った。




「5歳も下なのにな」




ゆっくり顔が近づいてきて、かすかに唇に触れた。



< 212 / 309 >

この作品をシェア

pagetop