【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
おっと…オフェンス成功したらディフェンス一本な。



俺もサッとディフェンスに回る。



どうやら相手側の皆様はピカ先輩のスーパープレイにも嫌に冷静沈着だ。



あれだけ血の気の多い集団だからあの先制点で揺すれると思ったけど、流石、県の古豪と呼ばれるだけはあり、切り替えが早い。



菊池のオフェンススタイルは遅攻型。24秒以内でシュートを打つというルールに従い、時間いっぱい緩急を付けながらボールを回し、点を取る戦法みたいだ。



コンビネーション、体力等、基本的な物がしっかりしているからこそのプレイであり、ディフェンスの俺達は、有ちん先輩以外のスタミナが不安であるため、早めに打開策を練らなきゃならない。



誰中心で攻めてくるか、どう来るか読めれば、ディフェンスの陣形を考えられるんだけど。



しかし、隙のないパスワーク。



これに下手に手を出そうもんなら…。



「ピッ!白(水高)7番!イリーガルユーズオブハンズ!(ファウル)」



「チッ!やっちまった」



思わず反応してボールをカットしてしまった行雲先輩が、早くも一つ目のファウルを取られてしまい、渋々右手を挙げた。
< 107 / 521 >

この作品をシェア

pagetop