【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
試合に集中しながらも、ピカ先輩の様子を視界の端で伺う。



……………いつも以上に鋭くカットインし、ずば抜けたオフェンス力で点を取っている。



ディフェンスは相変わらず糞役立たずだけど、まあ、調子が悪いってわけじゃなさそう。



ただ、やはり汗の量が尋常じゃない。



「おい、注意力散漫?」



「っおっと!やんねーよ!」



俺の逸れていた注意力をすかさず見抜き、スティールしようと手を伸ばす木下。



それを上手く、ボールのみじゃなく手の甲を叩かせた。



「ピィ!黒!(菊地)4番!(ファウル)」



「ふぅー、リードしてるんだからボールくれても良かやっか」



なんて、右手を挙げながら呟く木下は、やはり冷静で、焦りのひとつもない。
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