【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
第2クォーター終盤、まだまだ身軽な動きをこなすピカ先輩にボールを回し、変わることなくドリブルで切り込んでいく姿を見送る。
マッチアップ相手の木下が、こちらも相変わらず、気持ちの読めない目を左右にゆら、ゆら、と動かす。
ダムダム……キュッ!
ピカ先輩がレイアップを放つ瞬間を見て、ニヤリ、と笑う。
……但し、不敵な笑みを浮かべたのは、俺でも、他の味方でもなく、目の前にいる木下だった。
「チェックメイトばい」
ピピィィィ!!
第2クォーター終了のブザーが鳴り響く。
水高47-34菊地
依然として、俺達リードのスコア。
だが、最後に放たれたピカ先輩のショットは、入ることなく、地面に転がっている。
たった一本のミスショットなのに、自分でも不安になるくらい、嫌な予感で、心臓の動きが、高まる。