【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
「負けん!スピードならうちやて早い!」



行雲先輩がデッカイ声で俺達を鼓舞し、誰よりも早く走り出す。



俺も、その綺麗な顔にそぐわないガッシリした背中を追いかける。



いつもなら、ここにピカ先輩も混じっているんだけれど、ピカ先輩のスピードはキレがない。



「…………冷泉、アップしといで」



「はい」



ベンチサイドの秀吉キャプテンが動き出すのが分かった。



菊池の急なスピード展開に、体の慣れない俺達と、ピカ先輩の左足への執拗な不可攻撃。



「ッああああ!!」



そして、これまで水高を支えていたオフェンスの妖精が、遂に崩れる。



ピッ!ピィィィ!!



左のふくらはぎを抱え、その場に座り込んだピカ先輩に、俺達は駆け寄り、試合は一時中断。



あの時、気付いたあの時に、止めていれば……!!
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