【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
ボールは慧心のスローイン。



司令塔の柏原に上手く回され、スムーズに進んでくる。



この柏原を止めなきゃ、このチームの機能停止は絶望に近い。



…………第2クォーターからは、『あれ』を使ってみるしか、ないな。



でも、その為には、あの人をなんとかしなくちゃいけないな。



俺達の敷いたゾーンディフェンスを、慧心は迷うことなく切り込む。



それは…ピカ先輩のところ。



なまじ運動神経が良いせいか、フェイクの全てに引っ掛かってしまうピカ先輩。



俺や秀吉キャプテンが視覚や、相手の考えを読みながらディフェンスするのに対し、ピカ先輩は野生の勘だ。



それは行雲先輩にも言えることだけど、行雲先輩は野性的勘が外れた時も対応出来る長い手足を持っている。




頭も勘も、その体格も上手く使い分けている泰ちゃんがディフェンダーとしては一番優秀なのに間違いない。



今だって、抜かれたピカ先輩のフォローに入り、相手のドリブルをスティールした。



「泰ちゃんありがと!お返し行くばい!」



それをピカ先輩はサッと拾い、相手がディフェンスに戻る暇もないくらいのスピードでゴールまで速攻。



相手センターの厳しいディフェンスに左によろけるも、その無理な体勢から、ワイルドショットを放つ。
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