【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
第2クォーター終了のブザーが鳴り響く頃には、俺がいた時に1点差でリードしていた得点は
水高57-62慧心
完璧に、慧心へひっくり返されていた。
けど、たったの5点差。思ったより踏み止まってくれたな。
オールコートマンツーマンで運動量の多いうちは、有ちん先輩以外、疲労が募って息も荒い。
そして、問題その2。
「泰河、行雲ファウル3、ピかちゃん2、キャプテン1…んー、ちょっと、まずかね。椿がおらん状況やし、余計ね」
うちのディフェンス陣のファウル数に、トラブルを恐れ、由貴先輩が呟いた。
この間の練習試合の時、行雲先輩が退場した時は、有ちん先輩が秀吉キャプテンのポジションに、秀吉キャプテンが行雲先輩のポジションに入って対処出来たけど。
もしこの状況でどちらかが退場して、代わりになる程の選手は、今の水高にはいない。
だから、早く俺は動けるようになんなきゃなのに、まだ手の感覚がビリビリしている。