【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
第3クォーター。



再びジャンプボールを制した水高は、有ちん先輩にボールが回る。



「一本!一本焦らず行くばい」



穏やかに声をかけた有ちん先輩は、ちらり、と俺を見る。



「出鼻をくじいてやりましょう」



そう呟きながら、事前に打ち合わせていたサインを手で送り、有ちん先輩は返事の代わりに動き出す。



マッチアップの柏原は、有ちん先輩を自分より格下だと思っているからかパスコースを遮るようなディフェンス。



うちの副部長、嘗めないでほしいなぁ。



有ちん先輩は抜くにはあまりにも容易い体勢の柏原の股にダム、とボールを潜らせ、自分はフットワークで左に飛んで抜き、一本足で右に戻ると、ボールを弾いた。



そこにスタンバイしている、秀吉キャプテン。
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