【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~



第3クォーター8分。



荒商のメンバーの目の色が変わっていた。



今まで気を抜いていたというわけでは決してないのだけれど、これは強敵相手に下克上を狙う、挑戦者の目。



この日一番の集中力。そして、研ぎ澄まされた能力。



特に未来のスタープレイヤー、御劔歩は止まらない。



有ちん先輩の、ここへ来ても変わらぬ執拗なディフェンスも、恐れることなく抜き去り、一本、また一本と得点を重ねる。



「行けぇ荒商7番!!」



「「「荒商!荒商!荒商!」」」



その勇気、その力に、体育館全体が荒商勝利の空気を作り出す。



「ピッ!白(水高)10番!バスケットカウントワンスロー!」



泰ちゃん、行雲先輩の潜在能力を逆手に取り、ファウルを奪い、バスカンをもぎ取られる。



水高48-46荒商



流れを、そして会場の声援を奪われ猛攻に捕まる。
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