【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
「曜もやけど、凄かんは、仇野やろうな。凌華学院の選手全員からファウルば取っとるんはあいつやけん」



「うん。泰ちゃん、自分のファウルトラブルの過去から、上手く誘ってる」



そう。この試合において、今回影で活躍してるのは間違いなく泰ちゃんだ。



泰ちゃんは普段は穏やかだけど、試合中のプレイは強気。臆することのないディフェンスが売りだ。



そのせいで、わざとファウルを取られてしまうこともしばしば。



インターハイ前はそれの克服が課題だと思って様子を見ていたけど、泰ちゃんは、インターハイ本選の中で、自分でそれを武器にしていた。



これまでの経験で、あらゆる場面で自分がどうすれば相手のファウルを誘えるか、それをあのセンターというゴール下の戦場ともいえる場所で考えながらやっている。



「仇野の良かところは、あの頭の良さやね、間違いなく。あの体格、あのプレイに頭脳戦が加われば…もしかしたら、うちで一番曲者な選手になるかもしれん」



有ちん先輩の言葉に強く頷き、後半戦のジャンプボールを奪うためコートの中央にいる泰ちゃんに、目を向けた。
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