【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
「御劔と交代は…………「先生!」



箱田先生が交代を告げようとした時、泰ちゃんがそれを遮る。



「実は、これ……」



見せたのは、赤く腫れ上がった左手の甲。



「泰ちゃん、もしかして…」



「うん。さっきのファウル誘導した時のあれ、予想以上に貼れとる。これやとブロックは辛か」



先程、わざとファウルになるように手叩かれた泰ちゃん。そもそもボールを弾くためにスティールする桜山を狙ったんだ。相当痛かっただろう。



「この大馬鹿者!早く言わんかそういうこつは!」



箱田先生に背中を叩かれ、困ったように笑う泰ちゃん。



「後は頼みましたよ、先輩達、椿」



今日の試合の影の功労者がコートを去り、逆転の鍵、オフェンスの妖精が舞い戻る。



泣いても笑っても、ラストたったの10分。
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