君が思うより、君はキレイ。
「寒かったでしょ? ご苦労様。」

「いえ、仕事ですから。」

「でも、ありがとう。」

「あ、はい。......あの、配達担当の瀬崎と申します。本日は悪天候のため、配達にお時間を頂き、ご迷惑おかけしましたことをお詫び申し上げます。」

「そんなのいいよ。来てくれただけで嬉しい。」

「え?」

「とりあえず、これ。ちょっと待ってて。」




千円札三枚を差し出し、彼女は部屋へ戻って行った。

微かに男の声がする。

玄関には、メンズと思しき革靴もある。

彼氏? 旦那?

お釣りの用意をしつつも、頭の中を妄想が駆け巡る。
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