イジワルな彼の甘い罠
「へ……?」
「早希!来い!」
「え!?」
航はザッ!と音をたてて石畳に着地すると、そのまま私の腕を引き走り出す。
「なっ!?えっ……ふ、不審者だー!!」
呆気にとられ声をあげるしか出来ない彼の言葉に、先ほどの部屋の中にいた母たちは何事かと廊下に飛び出した。
「さっ早希!?ちょっとそれ誰!?」
『誰!?』『どういうこと!?』と騒ぎ出す母たちを尻目に、戸惑いながらも航と敷地の中を駆け抜けた。
な、なんで航がここに……!?
どうやって、どうして?
ていうか、なにがどうなって……
混乱する間にもバタバタと走り、航は私を連れたままどこか一室へと入り込む。