イジワルな彼の甘い罠



「いい式だったねぇ」

「うんうん、感動的だったー」



そして挙式と外でのライスシャワーなども終え、新郎新婦たちが写真撮影を行っている脇で私たち参列者は口を揃えて言った。

そんな私の手元には、ピンクの包みの小さなブーケが握られている。

それを見て、美緒は思い出すように笑った。



「それにしてもブーケトスは見ものだったよねぇ」

「なんていったって、菜摘が他の参列者の女の子そっちのけで、早希に直々にブーケ渡したもんね〜」



その言葉に全員が思い出すのは、先ほどのブーケトスでの光景。

『これ早希にあげる!私あんたが一番心配だから!結婚はまだまだでもせめて彼氏くらい作りなさいね!頑張って!!』

『あ、ありがとう……』



そう、ブーケトスはまさかの菜摘から直々にブーケを渡され、おまけに彼氏いないことを大勢の前で暴露され、更におまけに他の参列者にまで『頑張れ』と応援される始末だったのだ。




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