イジワルな彼の甘い罠



「ー……」



数時間の行為を終え、頼りないパイプベッドに横になったまま見上げる天井。

白い天井には消されたままの電気がぶら下がり、窓からの月明かりだけが私の視界を照らしている。



裸に纏ったシーツの冷たさで火照る体を覚ましながら、浸るのは行為の余韻。



……暑い。

先ほどまで寒いくらいだった気温。それも汗と液でまみれた今では、酸素不足の頭を余計にぼーっとさせる。



家主独特の部屋の匂いと、汗の匂いが混じり合う。けど、終わったあとのこの、満たされて疲れた感じが心地いい。



「……」



……が、ベッドに寝ているのは私だけ。

もう一人はといえば、ベッドの脇に座り込みパンツ一枚で煙草を吸いながらパソコンをカチカチといじっている。


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