イジワルな彼の甘い罠
「おはようございます!唯川さん!」
キャリーバッグを引きずりドタバタと駆け寄る私に、八代くんから向けられるのは相変わらず爽やかな明るい笑顔。
「おはよう……ごめん、寝坊して……」
「あはは、でも間に合ってよかったです!はい、これ乗車券!買っておきました」
「なにからなにまですみません……」
私のグチャグチャな髪や服、すっぴんの顔から余程急いできたのが分かるのか、八代くんはおかしそうに笑って乗車券を手渡した。
「今日から一週間、よろしくお願いします」
「うん、よろしく」
そんなこんなでなんとか、予定通りの時刻に東京を発ち、新幹線に乗ること数時間。
あっという間についた大阪の街で、『ホテルに荷物を預けるよりもます会社へ来てくれ』と言われていた私たちは、そのまま大阪支社のビルに向かった。